便潜血反応が陽性といわれたら
 
老健法による検診では便潜血反応(便中ヒトヘモグロビン検出検査2日法)が大腸癌検診として行われています。もし陽性といわれたら・・・どう考えれば良いのでしょう?
●大腸疾患について
 日本人の食生活の欧米化に伴って、大腸ポリープ、大腸癌などの大腸疾患は急増 して来ています。しかし今日の医療技術の進歩に伴い、大腸癌も、胃癌と同様に早期に発見することでその後の経過をより良好にすることも可能です。
● 便中ヒトヘモグロビン検出の意義
 大腸癌は、かなり進行した状態でないと、血便、下腹部痛、便通異常などの症状は現われません! そのため、症状がなくとも病気の可能性を否定できません。便中ヒトヘモグロビン検出検査2日法では、大腸進行癌の約90%以上、早期がんにおいても約50%強は陽性になると言われておりその簡便さに比べて、非常に有効な検査と考えられます。ただし、早期癌では検出率が低いこと、病変が無くとも痔などにより陽性になることなどの問題点もあります。重要なことは毎年必ず検査を行い、陽性であれば必ず精密検査を受けることです。
 かつては便潜血反応といわれ便中の鉄を検出していましたが、便中ヒトヘモグロビン検出検査になってからは食物の肉類・血液には反応しない、定量的に評価できるなどその検査精度は格段に良くなっています。
●精密検査の方法
 現在行われている大腸精密検査としては
①    全大腸内視鏡検査:大腸全体をカメラで観察します。もっとも正確な方法です。この方法による精密検査をご希望の方はご相談ください。検査を行っている施設へ紹介させていただきます。
②    S状結腸内視鏡+注腸造影検査:大腸下部をカメラで、さらに大腸全体をバリウムによる注腸造影検査で観察します。全大腸内視鏡検査に比してより簡便で苦痛も少ないため診療所などではよく行われています。ただし、検査の正確さとしては全大腸内視鏡に比べて劣ります。当院ではこの方法で検査を行っております。病変を見つけた場合には総合病院等に依頼させていただき、検査・治療を行っています。
③    注腸造影検査のみ:特にS状結腸・直腸における病変の見逃しの多いことより現在では推奨されていません。
●便潜血検査で陽性の場合もう一度検査し直してはだめなのか?
たとえ病変があってもいつも出血するとは限りません。特に充分な治療の可能である早い時期の病変ではその傾向が強いと言えます。たとえ何回検査を繰り返しても、そのうち一回でも陽性であれば精密検査が必要です。